【中小企業診断士】この時期に展示会? 緊急販路開拓助成事業(東京都)を考えてみる

4月7日に緊急事態宣言が出され、街は更なる外出自粛モードに移行。

ぼく自身在宅ベースの為、実際のオフィス街の様子等見れているわけではありませんが、TV等での映像を見る限りでは相当に人が減ってきている模様です。

 

さて、国の号令に基づき、経済産業省及び中小企業庁や厚生労働省、更には金融機関が一丸となってこの国の中小企業を助成や融資といった制度面で支えていくこととなります。

ぼくらのような診断士や、社労士の皆さんもお取引先企業と日夜相談を開始しているものと思います。ガンバレミンナ。

 

実際に新型コロナの影響で数多くの緊急支援策が発表されています。まだ各省庁準備に追われている模様で、詳細の募集要項等はまとまっていない模様。

これから連休前後に掛けて随時詳細が明らかになってくるものと思われます。

 

そんな中、今日は緊急的に実施されることとなった東京都の「緊急販路開拓助成事業」についてちょっとだけご紹介。

 

今日も診断士試験とあんまり関係なくてゴメンナサイ。といってももしかしたらこの辺りは1次試験の中小企業経営・中小企業政策で出てくるかも知れません。

 

結論から言うと、この助成事業、ありがたいんだけど、本当に使えるのかな?という印象。ちょっと先行き見えなくて難しいよね、と感じました。

 

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緊急販路開拓助成事業とは

詳しくはこの東京都中小企業振興公社ウェブサイトに書かれてますね。

www.tokyo-kosha.or.jp

 

新型コロナウイルス感染症の影響により直近の売上が減少した都内中小企業者を支援するために、販路開拓を目的とした展示会への出展費用等の一部を助成

とのことで、急遽実施されることとなった助成事業です。

 

申請要件

  • 新型コロナウイルス感染症の影響により、直近3か月の売上高が前年同期に比べ10%以上減少していること、
  • 2期以上の決算を経ていること。

メインはこれだけです。他にも勿論中小企業に該当することや都内で事業していること等、いつもの要件はありますけど、この助成事業特有の要件はこれだけ。

 

助成対象期間

  • 令和2年7月1日~令和3年7月31日

結構長いですね。13か月。これについては後ほどお話します。

 

助成限度額と助成率

  • 助成限度額は150万円
  • 助成率は4/5(つまり80%)

助成率は緊急事業ということで高めに設定されています。

 

助成対象経費

  • 展示会参加費(出展小間料・資材費・輸送費)
  • 販売促進費(印刷物製作費・PR映像制作費・広告掲載費)

但し、「販売促進費」だけの申請は不可。つまり、展示会参加がマスト、ということですね。この点も後ほどお話しましょ。

 

販路拡大助成事業との違い

実は今回の緊急販路開拓助成事業は、従来の「販路拡大助成事業」がベースとなっているらしいです。

従来のはこれ。

www.tokyo-kosha.or.jp

 

こちらも助成限度額150万円ですが、助成率は小規模事業者で2/3、中小企業で1/2.

更に申請要件が結構細かくて

  • 事前に「申請者向け説明会」に参加していること(参加必須)

  • 都内商工会議所・商工会、東京都商工会連合会で「経営診断」を受け、当助成事業の利用が有効とされていること

  • 次のいずれかに該当すること。①直近決算期の売上高が、前期と比較して減少している、②直近決算期で損失を計上している、③「アシストコース」を修了している

  • 2期以上の決算を経ていること

となっています。経営診断といういわゆる経営相談を受けていなければならず、更に業績がシンドイ感じになっていなければならない、といった感じです。

 

今回の緊急販路開拓助成事業は端的に言えば、

  • 申請要件を大幅に緩和(売上減少傾向さえあれば要件クリア)
  • 助成率を8割まで引き上げ

といった点で強化されていると言えますね。

 

実際のところどうなの?

ここからはぼく個人としての意見も多く入ります。実際にこの助成金を活用できないか、というお問い合わせも頂いており、公社事務局にも一部確認してみました。

 

まず申し上げておきたいのは、今回の緊急販路開拓助成事業を決して否定するものではない、ということ。

新型コロナの緊急対応的に急造した支援事業であり、東京都中小企業振興公社のご尽力には感謝しかありません。

 

ですが、

 

折角支援事業を実施頂くにも関わらず、今のままでは恐らく使うのは結構難しいのではないかと思っています。

 

助成対象経費

まず、助成対象経費が「展示会参加費」がマストとなっている点。そもそもこの状況下あらゆる展示会がキャンセルされています。一方で、サービス業をはじめとした各企業は、リアルでのサービス提供が難しくなった為、オンラインコンテンツの実施・充実に舵を切り始めています。

その場合、当然オンライン環境の整備であったり、PR映像制作であったり、ウェブサイト整備であったりに費用投下せざるを得ない状況です。

残念ながらこの緊急販路開拓助成事業では、これらがカバーされない形です、あくまで展示会がマストなので。

ちょっとここはもう少し柔軟に考えてほしかったなぁ、というのが正直な印象です。

 

ちなみにこの助成金申請にあたっては、具体的な展示会名を明記する必要があるとのことで、例えば「10月に(今のところ)予定されているABC展示会に出展するので経費を助成して下さい」と言った形になります。

 

でもね、この先本当にそのような展示会が実現されるのか、今の時点では誰も分からないですよね。新型コロナの収束次第。だから申請するだけ労力がかかってしまう、と二の足を踏む事業者さんも多いんじゃないかと思います。

(一応目的としていた展示会が中止となった場合には、代替展示会への振り替えも相談次第で可能、とはされてますけどね)

 

展示会の定義

元々のベースとなっている販路拡大助成事業で定義されている展示会というのはB to Bらしく、イメージとしてはちょっと規模が大きいですが、東京ビッグサイトで行うものや、国際フォーラムで行うもの、が想定されています。

例えば、その場でB to C的に販売活動が行われるようなもの(即売会・販売会)は対象外ですし、商業施設や屋外エリア等のオープンスペースを使ったブース展示のような展示イベントも対象外とされています。

 

又、昨今のリアル展示会中止に伴い、今後需要拡大の可能性があるのが、「バーチャル展示会」

まだ今のところ限られた業界・業種での開催がメインのようですが、今後IT系企業がプラットフォーマーとして取組を拡大させるのではないかと個人的には見ています。

 

↓こちら今年2月-3月で実際に開催されたバーチャル展示会。

ve.itmedia.co.jp

 

ですが、今回の助成金ではバーチャル展示会は助成対象外とのこと。あくまでリアル展示会に出展しなければ助成されません。

うーん、このあたりもちょっとフレキシブルさが欲しかったですね・・・。

 

まとめ

東京都の努力・尽力を垣間見た緊急販路開拓助成事業ですが、今のままではちょっと使いにくいです。ゴメンナサイ。

まぁ緊急的に既存の販路拡大助成事業を強化させたものなので仕方ないとは思います。でももう少し使いやすい助成事業が欲しかったなぁ、と。

 

4月7日緊急事態宣言発表時にも言及された「持続化給付金」(中小200万円、個人100万円)もそれはそれで有難いですが、苦しい状況でもなんとか活路を見出して生き残ろうとしている中小企業の活動を支援・助成するようなもう少しフレキシブルな支援事業があると嬉しいな、と思った次第。

 

昨今のZoom会議の活用増加例もしかり、在宅ベース・外出自粛ベースでのカギは「オンライン化」だとぼくは思っています。

従来の業態をオンライン化させることで事業変革に挑戦する事業者を迅速に支援するような事業設立を願ってやみません。

 

今日は大分マジメに話してしまったので、もう寝ます。

 

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