診断士試験効率的勉強法!中小企業診断士 【2次試験解こうぜ】平成28年度 事例Ⅳ(その2)

4月ももう半ばだというのに寒いです。春っぽさがない。

まぁ外出自粛なので家の中でおとなしくしてる分には問題ないですけどね。

あらゆる業種の皆さんが自粛モードですが、何とか頑張って耐えていきましょう。

ぼくも診断士として出来る限りのことをやっていきたいと思います。

まずは目の前のクライアントさん達への支援。そして、支援の過程で得られた助成金・補助金、その他国や都の施策に関する関連情報の発信(主にここで、ですが)。

 

コンサルタントって結構自分のノウハウは共有したがらないんですけど、今はそういうこと言ってる場合じゃないですよね。誰かが持ってる情報で誰かが助かるかもしれない、生き残れるかも知れない、っていうことです。

 

まずはインターネットで情報収集して、その後必要に応じて支援事業事務局の質問窓口に連絡したり、っていう感じですが、色々な場面でお世話になるのがこのサイト。

同じような疑問を分かりやすく解説してくれたりしています、いつもありがとうございます。

imamura-net.com

 

f:id:setagayadezil:20200412152550j:image

さて、先日診断士2次試験 平成28年度事例Ⅳ解こうぜシリーズ第1弾を書きました。ということでいよいよ実際に設問を解いていきたいと思います。

www.setagayadezil.com

 

 

第1問

(設問1)

さて経営分析。毎年必ず出題されるやつです。繰り返しますが、経営分析はぜひともほぼ完ぺきに押さえておきたいところ。複雑な計算は求められません。

解き方のコツは

  • 収益性・効率性・安全性から1つずつ指標を抽出。
  • いくつか候補がある場合には問題文の内容と合致するものを選ぶ

これだけです。本当にこれだけ。特別なことや尖った解答は求められておらず、地道にD社の状況を数値面から見抜きましょう、というお話です。

実際の診断業務でも、ご相談を受ける際に財務データを見せてもらえるのであれば、ぼくは必ず簡単に経営分析を行っています。経営者さんが認識している課題と数値面から読み取れる課題が合致しているのか、それとも経営者さんが認識していないところでも何か課題があるのか、が見えてきます。

(診断士試験では問題構成上、前者(問題文の内容と数値面がリンクしている)のハズです)

 

ということで、一つずつ行きましょう。

【収益性】

まずは収益性から。収益性は損益計算書(PL)の中だけで完結します。会社は収益を稼ぐことを目的としているわけで、まずはここを押さえましょう。

押さえるべきは以下項目から。

           前期      当期
売上高総利益率    50.66%                48.62%
売上高営業利益率           11.91%               11.38%
売上高経常利益率           11.31%               10.11%

 

 なるほど。全ての指標で前期比微妙に悪化していますね。但し、前期と当期の悪化ポイントで言うと、売上高総利益率は2.04%、売上高営業利益率は0.53%、売上高経常利益率は1.21%となっています。つまり、営業利益率ベースでは少しリカバリーしているということ。

なので、ここで選ぶべきは売上高総利益率か売上高経常利益率のどちらか、と考えるのが自然です。

問題文では

 第4段落:依然として顧客の節約志向が強く、業界環境は厳しい

 第6段落:創作料理店は業績不振が続いており

 

という説明があるので、そもそもの売上が悪化しているのでは?とも考えられなくはないのですが、この設問では前期と当期の比較、つまり1年間で悪化したことを考える必要があるので、これら説明は数年間続いている傾向である為、売上高総利益率を選ぶのは早計かな?という印象です。

では売上高経常利益率ですが、こちらは営業外費用が前期8から、当期20に増加しており、コレが悪化の原因となっています。その下には「損益計算書に関する付記事項」が書かれており、支払利息が前期1から当期4に増加しています。

問題文では、

 第7段落:新しい本社社屋を建設する計画である。投資資金は、自己資金と借入れによって調達する。

 第8段落:冬季に新社屋の用地として市内の好適地を取得し

 

となっています。

ここでBSを軽く見てみると短期借入金が前期ゼロから、当期318に増加していることが分かります。ということで、借入増加による利息増がここで当てはまることが分かりますね。

なので、収益性では「売上高経常利益率:10.11%」が適切と考えられます。

 

【効率性】

次に効率性。まず基本となる指標を軽く計算。

             前期    当期

固定資産回転率      2.24回   1.47回

有形固定資産回転率    2.90回   1.77回

売上債権回転率      63.92回   67.14回

棚卸資産回転率      118.71回  94回

 

ということで、売上債権回転率以外は全て悪化しています。

棚卸資産回転率も悪化していますが、問題文中に在庫に関する記載がないので、ここでは選ばない方が良さそうです。

固定資産回転率・有形固定資産回転率両方とも悪化していますが、その中身は当期の土地取得(320)によるものなので、より明確に特定する観点から「有形固定資産回転率」を選択するのがベターでしょう。ちなみに土地取得はしたものの、当然土地だけでは収益貢献できないので、資産効率低下となります。

ということで、「有形固定資産回転率:1.77回」にしましょ。

 

【安全性】

最後に安全性指標。一応全部リストアップしてみます。

           前期     当期

自己資本比率     58.05%          41.00%

負債比率                          72.25%        143.90%

流動比率                          163.04%        55.70%       

当座比率                          121.01%        44.95%  

固定比率                          107.23%      173.71%

固定長期適合比率            81.00%        147.36%

 

ハイ、見事に全部悪化しています。なんとメンドクサイ会社なのか、と。

この中でどれが最もD社の課題状況を適切に示しているのか、を考えてみます。

安全性が悪化しているということは、資本構成がおかしくなっていたり、手元資金がなくなっていたり、ですが、D社の状況をBS及び先ほど選択した収益性・効率性の観点からも考えてみると、

  • 短期借入金が増加(0から318に)。
  • 土地を新規取得(0から320に)。
  • つまり短期借入金により土地を取得している。

という状況です。新社屋建設が経営判断として正しいのであれば(これは第2問で問われる部分ですね)借入自体は悪いことではありません。勿論これにより自己資本比率や負債比率の低下が起こりますが、新社屋建設が将来の収益に貢献するのであれば全然OKです。

D社の安全性観点で問題となるのは、固定資産(=長期)である土地の取得を、短期借入金で賄っている点です。短期借入金は1年以内の返済が求められるアイテムですが、一方でこれに見合った現金含めた流動資産が手元にない、という状況。つまり、下手すれば返済できない、ということになるわけです。

 

本来であれば土地や建物と言った固定資産取得に対しては、長期借入金で賄うことで対応するべきですが、これが出来ていません。

この観点で考えると、D社課題は短期借入金から長期借入金への借換えによる短期返済能力の向上、と言えそうです。

ということで、ここは「流動比率:55.70%」が適切かと考えられます。

 

ちなみに試験テクニックとしては、流動比率は100%切る形になれば「ヤバい」と考えてOKです。この場合は流動比率が163.04%から55.70%に悪化していますので、まさにこの形。

(当座比率でも多分OKです)

 

纏めると:

  • 売上高経常利益率:10.11%
  • 有形固定資産回転率:1.77回
  • 流動比率:55.70%

です。

 

(設問2)

設問1で取り上げた課題が生じた原因を70字で。

先ほど選んだ3つの指標について、端的に何が起きたのかを整理してみると、

  • 売上高経常利益率 :引き続きの業績不振と借入金増加による支払利息増 
  • 有形固定資産回転率:土地だけ取得により資産効率低下
  • 流動比率     :短期借入金増加による短期支払能力低下

という感じです。

 

結局、元々業績が微妙に良くなかった創作料理店を抱えた状態で、新社屋建設用の土地を先行取得することとなり、この資金を短期借入金で調達。その結果、未稼働の土地を抱え資産効率低下、短期支払能力低下、支払利息増による収益性低下が発生しています。

これらを超コンパクトに70文字で纏めてみましょう。ここでも要素を収益性・効率性・安全性の3つで端的に書いてみます。

 

原因は①用地取得を短期借入金で賄い短期支払能力低下、②創作料理店不振と借入金支払利息増加で収益性低下、③用地未稼働による資産効率低下である。

(70文字ギリギリ)

 

 

 

ということで、第1問はこんな感じ。

 

第2問以降は次回に持ち越しー。今回も複数回に分かれてしまいそうですがご容赦。

 

↓ポチっと短期借入金(からの借換え)

にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ
にほんブログ村

コーポレートファイナンス 戦略と実践

コーポレートファイナンス 戦略と実践

 
意思決定会計講義ノート

意思決定会計講義ノート

  • 作者:大塚 宗春
  • 発売日: 2001/12/01
  • メディア: 単行本