診断士試験効率的勉強法!中小企業診断士 【2次試験解こうぜ】平成28年度 事例Ⅰ(その2)

巷では消毒液の中に精製水・ワイン・エビ商人・カッパが入ってるらしいです。

さらに「ええと」という謎の暗黒物質も入ってるみたい。

すげぇ、錬金術師か。

 

 

さて、前回平成28年度事例Ⅰの解こうぜシリーズを始めました。今回はその2回目。とりあえず頑張って解いてみよう。

www.setagayadezil.com

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第1問

設問1

当初立ち上げた一般印刷事業などの事業展開によってA社は成長を遂げることが出来た要因を問う問題。

前回の型はめポイントは以下。

A社が成長を遂げることが出来た要因を100字で。設問文からはどうやら3代目社長時代よりも更に「過去」のことを聞いているようですが、まぁこんな感じで準備しときましょうか。

「要因は~~ x 2個か3個」

さて、ということで、成功を遂げたので問題文中の「ポジティブな内容(=青文字)」を適切な場所から拾うことになります。

ここで注意なのは「時制(=マーカー部分)」ですね。3代目社長関連部分から拾わないと大事故になります。3代目社長が「当初」やった良いことはなんだろう、と。

 

  • 第4段落:「他社に先駆けてオフセット印刷機を導入」
  • 第4段落:「独自で技術開発に取り組んで印刷技術を向上させた」
  • 第4段落:「社員教育に力を注ぎ、企画力やデザイン力を強化・向上させた」
  • 第4段落:「他社と差別化を図ることもできるようになった」

 

と分かりやすくポジティブなことが書かれていますね。これらを素直に解答に盛り込めばOKです。

オフセット印刷・技術開発・社員教育によって、「他社と差別化」出来たという流れにするとキレイにまとまります。

こんな感じ。

 

要因は①他社に先駆けたオフセット印刷機導入後独自技術開発による印刷精度の向上で既存事業拡大・新規事業参入を図り、②社員教育により企画力・デザイン力を向上させ他社との差別化を図れたためである。

(95字)

結構素直な問題でした。はい次。

 

設問2

1990年代後半になっても売上の大半を学校アルバム事業が締めており、A社の3代目社長が推し進めた新規事業が大きな成果を上げたとは言えない要因を問う問題。

 

こちら型はめポイント。

1990年代後半になっても3代目社長による新規事業が大きな成果を上げられなかった要因を100字で。こちらも型は設問1と同じで置いておきましょう。

「要因は~~ x 2個か3個」

 

問題文中には色々と新規事業に取り組んだことが書かれていますね。「1990年代後半になっても」とあるので、それまでの間に色々やったけどダメでしたね、というお話。

第5段落に色々書いてあります。まず「事業多角化」という言葉

多角化してダメだった時、勿論色々と理由はあるわけですが、ここでまずピンと来たいのが、関連多角化なのか無関連多角化なのか

原則論としては関連多角化が良いとされていますが、勿論無関連多角化が全てダメ、というわけではありません。

但し、無関連多角化というのはとにかく経営資源を食うわけですね。関連していないから、かなりの部分を独自・自前化する必要があるイメージです。

ましてや中小企業は限られた経営資源で如何に高い成果を上げるかを追求するべきなので、ここは「無関連多角化っぽかったのでは?」と疑ってみます。

(ちなみに日本の無関連多角化の代表業種は総合商社でしょう。ラーメンからミサイルまでとか言われてますが、あれは体力含めて経営資源が潤沢にあるからこそ出来ると考えておきましょう)

 

ということで、当時のA社の強みは設問1でも出てきましたが、オフセット印刷による印刷精度、企画力とデザイン力といったところです。当時多数取り組んだ新規事業は、無関連多角化的で、恐らくこれが活かしにくかったのではないかと見られます。

例えば、工芸教室とかちょっと無理筋っぽいですし、CIや店舗デザインのコンサル業務も印刷技術とか関係ない感じですね。

自社企画の印刷関連オリジナル商品はイケそうな雰囲気もありますが、印刷精度がそこまで求められなかったのかもしれません。

 

これらを総合して、

  • 強みが活かせず他社との差別化が出来なかったこと
  • 多角化しすぎて経営資源が分散して中途半端になってしまったこと

を100文字に盛り込めれば良いでしょう。

はいこれ。

 

要因は①新規事業は既存事業との関連性が薄く強みである高い印刷精度や企画力・デザイン力が活用出来ず差別化が困難、②多角化により経営資源が分散しシナジー効果を発揮できず競争力を確保できなかったことである。

(100字)

どんどんいきましょ。

 

第2問

設問1

こんどは5代目社長(現社長)。新規アルバム事業を拡大する際の留意点を、学校アルバム事業の展開との違いを考慮しながら問う問題。

 

型はめはこちら。

新規のアルバム事業を拡大する際の留意点を違いを考慮しながら100字で。

これは少しコツが必要そうですが、違いと留意点を端的に述べるイメージでこんな感じで仮置きしましょう。

「違いは~~ x 1個か2個、留意点は~~ x 2個か3個」

 

まず、新規アルバム事業と旧来の学校アルバム事業を比べてみましょう。第8段落あたりに書いてありますね。

第8段落の内容を踏まえると切り口は「対象」と「販路」。つまりターゲットとチャネルと言えそうです。

 

  • 新規アルバム事業:「美術館や企業、一般消費者のアルバム需要を掘り起こす」
  • 学校アルバム事業:「学校とのパイプ役を果たしていた地域の写真館」

 

という点が明記されている違いになります。これをもう少しかみ砕くと、対象が異なることで、エンドユーザーへのリーチも「写真館経由のリーチから、ユーザーへの直接販売」になります。

 

では留意点とは。第8段落に「これまでの学校アルバム事業と異なる営業戦略、事業運営体制が必要となる」と書いてありますので、これに対する留意点を答えるのが妥当そうです。

ただし、設問2を見ると組織に関して問われているので、事業運営体制(※体制は事例Ⅰでは「組織体制」と読み替えてOK)についてはここでは答えなくて良いかな、という判断にしちゃいます。なので「営業戦略」に関する留意点で行きます。

 

間接販売から直接販売になるので、ユーザーへの提案営業を直接行う必要があるのでは?という点と、第8段落最後の「大都市圏にも営業所を設ける」というのを使って、顧客リーチを広げる必要があるよね、という切り口で纏めてみました。

こんな感じ。

 

違いは対象と販路が学校と地域写真館経由から美術館・企業等と直接販売になる点。留意点は①社員教育を行い生産経験営業員による提案営業の実施、②大都市圏営業所活用による需要発掘等で営業力強化を行う点である。

(100字)

 

設問2

さすがにそろそろ疲れてきました。

これまでの機能別組織から、複数の事業間で全社的に人材の流動性を確保する組織に改編した理由を問う問題。「組織」に関する問題ですね。題意は非常に分かりやすいです。

型はめポイントはこちら。

機能別組織体制から事業間での人材流動性を確保する組織に改編した理由を100字で。

事例Ⅰっぽい問題ですね。組織体制の変化の理由。とりあえず型はめはこんな感じかと。

「理由は~~ x 2個か3個」

 

ちなみに、「人材流動性を確保する組織」っていうのはマトリクス組織かプロジェクト組織・タスクフォースかそのあたりの複合系ですね。

事業部制でとりあえず分かれていますが、普通の事業部制組織だとその事業部内で人材が完結してしまうので、これを一歩進めた形になるわけです、たぶん。

 

なんとなく、「これってマトリクス組織?」とか「プロジェクトチーム?」とか色々と思い描くんですけど、ちょっと違う匂いがします。

通常機能別組織と来たら、次は事業部制組織なんですよね。でもそれも書かずに、「人材の流動性」ってイキナリ書いてあるので、事業部制のいいところも活用しながら、っていうイメージなのかと。

 

まず機能別組織の特徴、特にデメリットをおさらい。組織改編なので、このデメリットを解消するためにやっているんだろう、とあたりを付けておきます。

さらには、単純に事業部制組織に落ち着けていないので、事業部制組織のデメリットも一緒に解消しようとしているんじゃないかとにらみます。

 

■機能別組織のデメリット

  • 経営幹部が育ちにくい
  • 責任が不明確
  • トップの負担が大きい
  • 変化に弱い
  • ノウハウ蓄積されるが共有しにくい

 

■事業部制組織のデメリット

  • 非効率なことがある(事業部に管理部門等も内製することがある為)
  • セクショナリズムが発生する
  • 事業部を超えた連携がしにくい

とまぁこんな感じでしょうか。今回は人材を流動化させて、複数の事業を跨がせるようなので、

  • 事業間でノウハウを共有・活用する
  • 経営幹部を全社的に育成する
  • セクショナリズムを排除し一体感を持たせる

あたりを狙っていると考えられます。

最終的には、これにより事業部間でのシナジーを引き出し、売上をアップさせることを目指す、として纏めてみます。

これで。

 

理由は①各事業ノウハウを共有し社内連携強化を行う、②将来経営幹部等人材育成し環境変化への対応力を強化する、③セクショナリズムを排し公平感・一体感を持たせる、等でシナジー効果を発揮し売上向上を目指す為。

(100字)

 

設問3

ラストは前の問題で組織だったから、今回は人事。

業績低迷が続くA社が優秀な人材を確保するために導入するべき「人事施策」を問う問題。こちらも素直に「人事施策」と書いてあるので迷いません。

事例Ⅰで「施策」と言われた場合には、大抵「人事施策」だと思って良さそうです。

 

型はめポイント。

有能な人材を確保するための人事施策を100字以内で。こちらも事例Ⅰぽい問題。先ほどの第2問/設問2は組織の問題でしたが、こちらは人事の観点。バランスいいですね。

事例Ⅰだと、問い方がざっくりしすぎていて、組織のことを聞いているのか、人事のことを聞いているのか分かりにくいケースもあるのですが、この事例は組織と人事がキレイに分けられているので、比較的取り組みやすいという印象です。

とりあえず型はめはこんな感じで。

「A社は~~ x 2個か3個」

 

人事と聞かれると、とりあえずは以下を準備します。これは予備校MMC方式。

  1. 雇用・採用・配置
  2. 評価
  3. 報酬
  4. 能力開発・研修

2と3の評価と報酬はだいたいワンセットで「評価報酬」としてしまうことが多いです。

人事施策を聞かれた場合には、この切り口で組み立てるとバランスの良い解答にしやすいので、これで斬ってみます。

 

雇用面

優秀な人材を確保しなければならないので、そもそもそういう人材(=即戦力)を採用することが必要ですし、そのような人材が離職しないような職場環境を整えておくことが必要です。

本来はもう少しA社特有の事情を盛り込みたいのですが(そうでないと一般的な解答に終始してしまうので)中々そのようなネタが問題文中から見つかりませんでした。やむなし。

 

評価報酬面

こちらもA社独自のカラーを盛り込みたいものの、なかなか見つかりません・・・。

一般的ではあるものの、基本線は「成果主義」と「公正な評価制度」で組みます。

 

能力開発面

こちらはA社社員が求められているスキルで肉付けしておきます。印刷技術は必要でしょうし、営業力の強化も重要。これらを満たすような研修を充実させてあげることが必要ですね。その他、過去の成功体験的には第4段落にある「従業員の体験学習、小集団活動を積極的に促してきた」を使ってみましょう。

診断士2次試験ではどの事例でも、過去や他社の成功事例は「丸パクれ」という鉄則がありますから、ここでも遠慮なくパクりましょう。

 

まとめると

これら切り口を纏めて、最終的には社員モチベーションを高め、維持して定着させる方向で纏めてみましょう。

 

A社は①雇用面で即戦力経験者採用や労働環境の整備、②評価報酬面で成果主義要素と公正な評価制度導入、③能力開発面で印刷技術・営業力強化研修充実や小集団活動促進等を行い社員意識を高め人材確保・定着を図る。

(100字)

 

おわりに

ということで平成28年事例Ⅰ解こうぜシリーズ、終了です。

事例Ⅰっぽい問題だったな、という印象です。特に第2問の設問2と第3問はそれぞれ組織と人事であることが明記されていたので、解答の盛り込み方で悩むことは少ないのではないかと思います。

 

とはいえ、80分でしっかりと解き切るのは、この事例に限らずハードルが高いです。時間配分も意識ながら、超効率的に(一部は機械的に作業しつつ)解いていくクセを付けていきましょう。

 

おしまい。次は平成28年事例Ⅱですね、ちゃんとやります、やりますって。たぶん。

 

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